坂 村 真  民  の  世  界

よ う こ そ タ ン ポ ポ 堂 ヘ(最終更新13.4.29)

   (愛媛県越智郡玉川町・嵯峨子谷に咲く山一面の桜・2000年4月撮影)

ようこそ、坂村真民の世界へ、ようこそタンポポ堂へ、真民さんの詩の魅力と真民さんに関する情報をあなたに届けます。

1.詩 国 5 月 号 2. タ ン ポ ポ 堂 か ら 
3.朴庵(ほうあん)例会のご案内 4.坂村真民全著作一覧 
5.詩国バックナンバー 6.タンポポ堂ライブラリー
7.作成者からのご挨拶 8.坂村真民関連HPリンク集
9.メッセージボード  

     あなたは  人目の来訪者です。 


坂村真民さんの略歴

明治42年1月6日  熊本県に生まれる。8歳の時に、父親

の急逝によりどん底の生活に落ちる。5人兄弟の長男とし

て母親を助け、幾多の困難と立ち向かう。昭和6年 神宮皇

学館(現皇學館大學)を卒業。25歳の時、朝鮮にて教職につ

き、36歳全州師範学校勤務中に終戦を迎える。昭和21年

から愛媛県で高校の国語教師を勤め、65歳で退職、以後詩

作に専念する。始めは短歌を志し、昭和12年『与謝野寛

評伝』を著している。四国に移住後,一遍上人の信仰に随

順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じる。昭和37年、

月刊詩誌「詩国」を創刊、以後毎月、一回も休むことなく発

刊し1200部を無償で配布している。また詩の愛好者によっ

て建てられる真民詩碑は日本全国47都道府県に分布し、

その数は現在,海外の20基と合わせると580基を超える。

主な著書は、4.「坂村真民全著作一覧」に載せてます。

(南股小学校の除幕式にて(12.9.16撮影)

                                                                


1.詩 国 5 月 号 第 四 十 巻 5 月 号

今年の桜


咲いて
散りゆく
花の美しさ
今年の桜は
妻と見ることは
できなかったが
桜は
妻を守ってくれ
危機を
突破してくれた
二〇〇一年の
桜よ
ありがとう


 すべてを喜ぼう

ニューヨーク大菩薩禅堂主
嶋野榮道老師に
お会いしてから
奇跡は
喜積からだと知り
一喜一喜の
積み重ねという
生き方になった
山河草木すべてが
そう叫んでいることも知った
タンポポ堂の
タンポポたちが
良かったですね
まったくそうですよと
言ってくれる
こぶしの花も
こぶしをひらいて
そうです
そうですと
言ってくれる
ああ
花ひらく
天地ひらく
わが心ひらく
今年の春


  されど宇宙には

桜が咲いたら
共に眺めようと
楽しんでいたのに
妻はまた日赤に戻り
特別病室の人となり
一時は危機明暗の処を
さまよい
その間(かん)
大きな地震などあり
大変だった
世乱れ
人苦しみ
時は過ぎゆき
花咲き
花散る
されど
宇宙には
狂いなし


 三月二十七日

三月二十七日は
わたしたちの
六十六回目の
結婚記念日であった
そうした日に
砥部町から
砥部名誉町民の推挙を頂き
何より嬉しく
ありがたかった
新しくできた会館を出ると
鶯が鳴いていたが
とり年生まれのわたしは
砥部の山川草木が
今までにない
身近なものとなり
砥部の砥石で
己れを磨けと
自分に言い聞かせた


 芸予地震

ベトナムの華厳寺から
来られたシャカム二像は
石こう作りで
倒れたら壊れる
軽いもの
また北海道の
トラピスト修道院から
来られた
マリア像は
棚の上にあり
これも軽いもの
神棚にも
仏壇にも
花がいっぱい
活けてあり
揺れたら
これらも大変である
そうしたものが
何一つ倒れず
こわれず
不思議でならなかった
震度五強の地震だったが
机のそばの観音像も
微動だにしておられない
本当に不思議で
不思議でならなかった
一応静まったようなので
仏壇に灯(あかり)をつけ
お礼を申す

妻に会いたいが
今来たら
病気が移ったら
大変だからと
真美子が言うので
行かずにいるが
毎年見てきた桜も
散ってゆこうとしている
一緒に桜を見ないで
過ごすのは
今年が初めてである


 権 化

朝夕を
マザー・テレサと
静かに
祈ろう
このひとこそ
宇盲愛の
権化(ごんげ)なのです


狂ってきた

どこかが
狂ってきた
のでなく
なにも
かもが
狂ってきたのだ

だれかが
狂ってきたのでなく
だれもかれもが
狂ってきたのだ

ただ本ものは
ひとにぎりの
それも
山の中の
子供たちだけか

ああ
あの子供たちは
天の子だった
地の子だった
この子たちが
日本を救ってくれるだろう

ブナの切り株に腰かけて
フランスを救った
ジャンヌ・ダルクの話をした
その時夕日が
キラキラと木木を光らせ
子供たちの心に
天の意志を伝えた


 なぜか

母なる地球の上には
数知れない
寺院があり
教会があり
朝夕の
読経
祈りが
行われているが
一向に
平和にもならず
幸せにもならず
人間が人間を滅ぼす
核兵器が造られ
不安は増すばかりである
一体いつになったら
平和や幸福が
来るのであろうか
お互い
なぜかと考えて
宇宙のまなざしを持つ
人間になろう
せめてこの小さい国の
日本だけでも
神仏に喜んでもらう
国造りができないものか
そんな思いが去来する
今日(こんにち)である
 

浮上せよにほん丸

えひめ丸が
沈められてから
急に
にほん丸
そのものが
心配になった
浮上せよ
浮上せよ
祖先の人たちに
対面できないようになる
今の日本よ
遺伝子は叫ぶ
誇りを持て
海洋民族よと

 

   
 後    記 

     

    
         1 芸予地震

 日本の国、そのものが火山地帯である。特にわたしの生まれた熊本県は、火の国肥後と言っているように、今も噴

煙をふいている阿蘇山があり、地震にも慣れているが、このたびの芸予地震は、大きかった。

その時、私は風呂場で足を洗っていた。それだからかも知れない。そう驚きは感じなかった。すぐにテレビをつけ、ど

こが震源地であるかを知り度く、じつと見ていた。家具その他何一つ落ちたりなどせず、異状はないので、一応テレビ

から離れ、二階にあがった。書斎も無事、仏さま方も無事、花瓶も無事、不思議でならなかった。

私はお経を唱えて、お礼を申した。

 詩にも書いているように、二階の書斎は、神さま、仏さまの居場所でもあり、その他本棚には本が並んでおり、とに

かく、予報なしの地震であるから、大変である。
 
それが何事もなかった。

 沢山の方からお見舞いの電話や、お手紙を頂いたが、無事でしたと、言ったり、書いたりするのも、被害の大きかっ

た方々のことを思うと、相すまない気がして、今も心重い気がする。

 大切なことは、地震国であることを、国民すべてが良く知り、国家を預かる政府が、専門の学者を養成するとか、建

築にしても、十分の研究をするとか、地震以前の対策をLなければならぬ。

 そLて最後は、誠実さである。

 誠実さを
 無くした時
 国は滅び
 己れも滅ぶ

2 桜

 今年は妻と一緒に観ることはできなかったが、妻の分まで観ることができた。

 桜はやはり、日本の国と民とを象徴する花だと思う。
 
一人で観るも良し、一緒に観るも良し、山桜も良し、観光の桜の園も良し、桜は本当に生きる喜びを与えてくれる。

  花
 
 花はなぜうつくしいか
 
ひとすじの気持ちで咲いているからだ
  
 桜
 
奇麗な桜の花をみていると
 
そのひとすじの気持ちにうたれる
 
わたしは、こうした八木重吉の詩に、心うたれて、詩の世界に入ったので、普通の人の花見と、少し違うのであるが、

信じて咲く花たちの心を思うと、この人生を、どう生きねばならないかを、花が教えてくれる。
 
特に今年の桜は、妻が病み、特に重症で、花も持ってゆけなく、妻の分まで眺めた。

 富士山頂に、木花開耶媛(このはなさくやひめ)を祭る民よ、木の花即ち桜を祭る民らしく、ひとすじの気持ちを大切

にしようではないか。

3 朴 の 月

 さて、五月は朴(ほお)の月、われら朴族にとっては、大切な月である。この地球上に一本でも多く朴を植えて、木の

中の慈母と言ってもよい、この愛と平和の木を慶祝し、花びらで乾杯しよう。

    4 知足ということ

 小さい国だが、四季折々の花が咲き、四季折々の鳥が鳴く。わたしは日本の国に生まれたことを、何より嬉しく、何

よりありがたく思う。特に仏島四国に来て、一遍上人の、

  よろず生きとしいけるもの、山河草木、ふく風たつ浪の音までも、念仏ならずといふことなし。

という宇宙的信仰に触れ、賦算(ふさん)行を受け継ぐようになった、深い縁を思うと、残り少なくなってゆく人生を、どう

生きるかが、最大の課題となる。その最大が知足ということである。わたし流に言うなら、知足とは、足(あし)を知る

ことである。わたしの詩に 「尊いのは足の裏である」というのがあるが、その足の裏を知ることによって、足(た)るを

知ることができる。今日本は、それが崩れてしまった。危機は、そこから来ていることを知ろう。

5 お見舞感謝

 芸予地震、詩に書いたように無事でした。お見舞いありがとうございました。
         
    

 
6 前月号から

  一位 祈れ。二位 えひめ丸。三位 祈りが−つ増えた。四位 −喜一憂。五位 三月八日でした。

 
1.詩 国 5 月 号 2. タ ン ポ ポ 堂 か ら 
3.朴庵(ほうあん)例会のご案内 4.坂村真民全著作一覧 
5.詩国バックナンバー 6.タンポポ堂ライブラリー
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